5、6年前のことだ。僕がまだサラリーマンをしていた頃の話。
その頃はまだyoutuberとえばヒカキン、はじめしゃちょー、ラファエル、ヒカル等、
現在ではすっかり古参youtuberと呼ばれる人達しかおらず。
「好きなことで生きていく」というフレーズは存在していなかった。
代わりに存在していたのが「会社に縛られずにパソコン一つで生きていく」という名目のもと、
アドセンス広告収益をメインとして生きていたブロガー達だ。
その頃はyoutuberがそこまで盛んではなかったので、
パソコン一つで食べていく選択しとして選ぶのはまずはyoutubeではなく、ブログだった。
僕自身サラリーマンをしながら「パソコン一つでどこでも生きれるのか、、、羨ましいな」
と心の底で自由に生きている(ように見える)ブロガー達に憧れを持っていた。
彼らは自分達のことをフリーランスと名乗ることが多かったのだが、
フリーランスと言うのはあくまで呼び名であり登記上は「個人事業主」だ。
カタカナのほうがカッコイイので、ここ数年でフリーランスを名乗る人が増えたが、
新しい職業ではなく昔からある「個人タクシー」の運転手と何も変わらないのが現実だ。
実はブロガー全盛期の頃によく話題になっていた話がある。
それが「サラリーマンはオワコンである」という話題だ。
5、6年前はフリーランス達が数多くいるサラリーマン達を煽り、
自分達のブログアクセスやTwitterアクセス、売りたい商材のために、
サラリーマンVSフリーランスという構図を作っていたに過ぎなかった。
現実問題としてフリーランスは不安定でサラリーマンは相変わらず安定した仕事であり、
フリーランスがどれだけ煽ったところでサラリーマン最強説は変わらないように思えた。
しかし、現在コロナが世界中を直撃したことで世の中の状況が大きく変わってしまった。
今回はサラリーマンを経験した後に個人事業主(フリーランス)として働いている僕の経験を元に、
コロナで浮き彫りになったサラリーマンがオワコンになりつつある事実に警告を促したいと思う。
目次
なぜサラリーマンはオワコンになりつつあるのか?①~構造の崩壊問題~
大昔と言うほどでもないが戦後から高度経済成長期の日本の給料というのは「実力主義」ではなく、
「ある程度これくらいのお金が必要だよね」というざっくりしたもので決まっていた。
男性一人で働き、女性は主婦で、子供が二人いて持ち家と車がある。
だから「あなたの年齢ならこれくらいのお金が必要ですね、給料はこれくらいですよ」
というルールで決まっていた。これが終身雇用制度というやつだ。
成果主義ではないので上司に気に入られると謎に昇給したりいい時代だったわけだ。
しかしご存知の通り日本はバブルが弾けた後、長い不景気に突入する。(というか今後一生)
不景気により就職氷河期という世代が生まれてしまい、
彼らは子供どころか結婚すらしていない人が多い。(国のせいなので本人せいではない)
結果として必要な人間の数が増えないので不景気に拍車がかかり少子高齢化社会へと突入した。
老人というのは体力も落ちることや、ある程度若い頃に様々な経験をしているので、
若者に比べて消費をしない。
しかし医療の発展により健康寿命は延び続けていつまでも現役で働く老人が増え続けている。
会社のお金というのは無限ではなく限りがある。
だから今までのように
「これくらいの年齢の人はこれくらお金がかかるからこれくらい給料をあげよう」
ということが不可能になった。
サラリーマンがオワコンな理由②コロナで見えてきた有能と無能な人間の歴然とした実力格差問題
とはいえコロナになるまでの日本では「なんだかんだ」サラリーマンが安定していた。
そう、この「なんだかんだ」というふわふわした状態が続いていたのが良くなかったのだ。
コロナで外出は規制され、消費に歯止めがかかり「本当に必要な仕事」以外が駆逐された。
よく「人間は食って、寝るだけの生き物ではない」ということを言っている人がいた。
しかしコロナで現実になったのは「人間は食って寝るだけの生き物だ」という事実だ。
本当に海外旅行が必要なら航空業界を国がバックアップすればいいし、
アパレル業界も国が助けてやればいい。
飲食業界だってそうだ。
しかしコロナで景気不安が押し寄せた時にみんなが心の中で思ったのは
「まぁ今は海外旅行行かなくてもいいし、服も今あるのでいいよね、ご飯も自炊でいいや」
ということだった。
だから航空業界、アパレル業界、飲食業界はコロナの今苦境に立たされているのだ。
そして駆逐された影響は誰に来るのかと言うと雇われている「無能なサラリーマン」だ。
サラリーマンというのは一括りにして考えられることがあるのだが実際は違う。
社内でも「仕事をゼロから生み出す人間」と「言われたことしかできないロボット人間」がいる。
コロナで苦境に立たされた時に会社から必要とされるのは「ゼロから仕事を生み出す人間」だ。
言われたこと以外何もできないような無能な人間は残念ながら必要ない。
コロナで大量の失業者が出たというのは連日ニュースで見ていると思うが、
会社が丸ごと潰れていない場合、クビになるのは「無能な社員だけ」である。
サラリーマンがオワコンな理由③無能でも楽に稼げる時代はもう二度と来ない
日本のメディア洗脳のせいで「まだ日本はなんだかんだ大丈夫」と思っている人がいる。
正直呆れて声も出ないとはこのことだ。
少子高齢化が止まることは今後も絶対にない。(一人が10人とか産むなら別)
そしてバブルのような好景気が来ることも二度とない。
来るとすれば日本の人口が爆発的に増加した時だけだ。
そしてIT技術やAIの発展で人間がすべき仕事はどんどんとなくなりつつある。
コンビニの店員を見たらわかる通り誰でもできる仕事はどんどん外国人労働者に奪われていく、
奪われていくというか日本人は未だに傲慢であり、
汚い仕事やしんどい仕事は日本人がやるべきではないと勘違いしている。
もうとっくにそんな時代は終わりを迎えているのに現実を見れていないのだ。
だから会社に通うだけで給料がもらえる時代は二度と来ない。
今後はサラリーマンでも自分の力で仕事を取ってこれる有能な人材だけが生き残る。
なぜか?いくらAIが発展してもゼロから仕事を作り出すのは人間だからだ。
AIにゼロから仕事を作り出すプログラムを組んでいる時点でそれは人間が決めていることなので、
本当の意味でゼロから仕事を作っているとは言いにくい。
だから本当の意味でゼロから仕事を創造できるのは人間であることは今後も変わらない。
サラリーマンがオワコンな理由④副業をしようにもできない現実
フリーランス(個人事業主)というのは何を仕事にしてもいい。
当たり前だが本業と別に雇われてアルバイトをするのも自由だ。
なぜならどの仕事をするのも自分の責任であり自分が決めたことだからだ。
僕でいえばこのブログもそうだし、youtuberもしているし、トレーダーもしているし、
普通に雇われでアルバイトもしている。
今後コロナで何かの仕事がダメになっても別の方法を見つければいいだけだ。
しかしサラリーマンは未だに根拠なく「副業禁止」という会社がほとんどだ。
よく「本業が疎かになるから」という理由を掲げている会社があるが、
だったら本業で満足させるくらい給料をあげればいいだけの話だ。
しかし日本人のルールを死んでも守る生真面目な性質を利用して、
給料は下げても副業は禁止する悪質な企業が多い。
こうすると会社の給料に依存しないと生きていけないので必然的に仕事をやめたがらないし、
安い給料でやめない従順な社員を作り出すことができる。
5、6年前までは「社畜」という言葉は非常に悪い言葉としてい使われていたが、
こうも雇用条件が悪い環境で働いているサラリーマンがいると「社畜」と言わざるを得ない。
個人事業主(フリーランス)を救済する制度はたくさんある
サラリーマンがオワコンであるという話題を出すと、
決まってサラリーマンの人達が「フリーランスはサラリーマンのような安定がない」と言いだす。
しかし、それは大きな間違いである。
というかサラリーマンの人は自分がフリーランスではないので制度を調べることもしない。
だから知らないだけなのだ。
実は国はフリーランスの人達にもきちんと保障制度を用意している。
今回のコロナでも数々の給付金制度があり副業で安定したアルバイトがあるにも関わらず、
本来の本業よりも高い給付金をもらっている人達がたくさんいる。
この部分だけを切り取るとサラリーマンの人達は「仕事があるのに給付金をもらうのは卑怯だ!」
と騒ぎ立てる人がいる。しかしこれは卑怯でもなんでもなく合法なのだ。
サラリーマンの人達は知らない人が多いのだが所得には「事業所得」と「給与所得」がある。
フリーランスの人達の給付金は「事業所得が減額した人」が対象だ。
給与所得がある人はもらってはいけないというルールはどこにもない。
なぜこんなことが起きるのかと言うと事業所得というのは経費を差し引いた額で決まる所得だからだ。
サラリーマンはノーリスクで全額が(税金は引かれるが)給料をもらうことができる。
何かを自腹で仕入れることもなければ失敗しても損失を被ることもない。
しかし個人事業主は全てが「自己責任」である。
居酒屋を経営していたなら酒や食材を仕入れるために先にお金を払わないといけない。
酒はある程度保存ができるが食材はそうはいかない。生物ならすぐに腐ってしまう。
だから国はある程度大まかな仕入れ経費も見積もって給付金を出してくれるのだ。
今後は一つの仕事だけする時代は終わりを迎える
今までの日本では「勤続年数何年」という風に一つの仕事だけ極めた人間が評価される時代だった。
履歴書もできるだけ短いほうが好まれる時代だった。
しかし今後はコロナのように人類ではどうしようもない悲劇が何度も起こる時代になる。
そうすると一つの産業でしか通用しないスキルと経験しかない人間は不要になる。
ジャンル関係なく様々な場所で仕事の経験がある
「自分の力で生きれる者」だけが生き残る時代がやってくる。
これは悲観的な考え方などではなく、日本の先輩である先進国アメリカを見てみたらわかる。
資本主義というのは資本を持っている人間に有利になるようにできており、
資本主義では一度資本がない状態に陥ると這い上がるのがほぼ無理ゲー状態になる。
だから今後日本では貧富の格差が拡大して外国人労働者が溢れかえる。
そして治安が悪くなり田舎はスラム化していくことが目に見えている。
これは世界中の先進国が抱えている問題であり現在のところ解決策はないとされている。
今後は全てが投資であるという認識が必要
投資に興味がない人からしたら「損切り」という言葉はあまり聞き馴染みがないかもしれない。
損切りとは損が確定するとわかっていてもこれ以上損がでないように損を確定させることだ。
例えばあなたが居酒屋を経営しているとして貯金はまだまだあるけど、
これ以上自粛が続いたら赤字が拡大するので思い切って店を閉店するということだ。
実は資本主義である以上世の中のすべては投資である。
自分がどのくらいお金をかけて勉強し、どの学校を卒業し、どの企業に入り、
投資リターンとして生涯賃金でどれくらいの利益になるのかという投資だ。
つまりサラリーマンが投資先としてよかった時代はサラリーマンに投資すればいいし、
サラリーマンが投資先としてよくないと思うならサラリーマンを損切りしてやめるべきなのだ。
もちろんあなたが絶対に潰れない一部上場企業に勤めているならそのままでもいい。
しかしどこの会社かわからない終身雇用もないような中小企業ならしがみつく理由はない。
スキルを身につけてさっさと損が拡大する前にやめてしまうのが先決だ。
最後に
5、6年前ならばサラリーマンがオワコンであるという言葉は煽りでしかなく、
一種の炎上商法でしかなかった。
しかし経団連会長やトヨタの会長も終身雇用制度を今後も維持するのは無理であるといい。
少子高齢化は加速、コロナによる経済的打撃もある昨今だ。
世の中がこうなってしまった現在においては節税メリットもなく、
副業も禁止されているサラリーマンは論理的に考えてもオワコンであるとしか言いようがない。
何度も言うがこれは煽りではなく元サラリーマンとしての冷静な警告である。
家族がいるなどしてどうしてもサラリーマンをやめられないのなら、
副業が可能なサラリーマンに転職するのがいちばんいいだろう。
この記事では書かないが個人事業主と雇われのダブルで確定申告すると、
税金を安くできる方法がたくさんある。
しかしサラリーマン単発だとどう頑張っても節税できる方法が限られてしまうのだ。
「まだまだ日本は大丈夫、中国に抜かれても経済大国3位の国に変わりはない」
と思っているそこのあなた、国の経済力とあなたの経済力が必ずしもリンクするとは限らないし、
国の経済力の影響を受けるのは株を保有していている投資家であり、
庶民に影響があるのは当分先のことになるのは肌感覚でわかるはずだ。